Part1 くつろぎスペースが私を襲う!
車の運転と同じように、危険を予測して想像しながら、部屋を見回しみて!きちんと安全対策しておきましょう。
ある場所の揺れの大きさを示す単位として「震度」があります。
同じ地震を体験しても地盤や建物の構造などによってその人が感じる揺れの大きさは変わってくるものです。
この単位は各国で異なり、日本の場合は、気象庁で震度階級を0~7の10段階に分けたものが使われています。
5弱 |
多くの人が身の安全を図ろうとする。
棚にある食器棚、書棚の本が落ちることがある。
窓ガラスが割れて落ちることがある。
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5強 |
非常に恐怖を感じる。テレビが台から落ちることがあり、家具が倒れる事がある。
補強されていないブロック塀の多くが倒れ、一部の自動販売機が倒れることがある。
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6弱 |
かなりの建物で、壁のタイルや窓ガラスが破損落下する。
耐震性の低い木造建物では倒壊する物があり、耐震性の低いコンクリート造の建物でも壁や柱が破損する。
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6強 |
固定のない家具のほとんどが移動、転倒する。
多くの建物で、壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する。
耐震性の低い鉄筋コンクリート造の建物では倒壊することがある。
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7 |
ほとんどの家具が大きく移動したり、転倒する。
耐震性の高い建物でも傾いたり、大きく破損する物がある。広い地域で電気、ガス、水道の供給が停止する。
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<気象庁震度階級表より抜粋>
怖いですね…。
死者6433名を出した阪神淡路大震災では自宅で亡くなった方がなんと86.6%!!!
地震で凶器となるのは・・・自分の家なのです!
こんなひどい揺れの時には、ふだんくつろいでいる「寝室」や「リビングルーム」がどうなってしまうのでしょうか・・・
「住まいを強くすること」が、
あなたとそしてあなたの家族の命を守ります。
やすらかに眠っているA子さん…。
スッキリ片付いた、落ち着いたお部屋ですが、大地震が起きると、こんなことに!!!
ZZZZZZZZZZZZZZ |
ぎゃぁーっ!!!!! |
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テレビが飛ぶ!
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あたまの上にあるテレビが飛びます!
重たい物ほど加速し力があるから置く場所には要注意!
落下しても危険性のない場所。できるだけ頭の上は避けた場所におきたいものです。
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本棚が倒れる!
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薄くて背の高い本棚は倒れやすい!
上段に重たいものを収納しているとなおさら・・・。
倒れたあとは中身がバラバラになって、足の踏み場がなくなることがあります。また、家具は前方に倒れてくるから就寝位置は、家具の高さ分だけ離して配置したほうが、万が一のときも安全です。
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ドアが開かない!
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本棚が倒れているのでドアが開かない!
出入り口付近に置くと、避難口が塞がれてしまいます。
前に倒れる可能性があることを考慮した配置が必要です。
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上部の飾りものが
落下・破損!
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棚に飾っているものはまず転がって落下します。
その落下したものは、破損して破片が飛び散ります。
高い位置に置いてあったもの、重ければ重いほど飛び散る範囲は広くなります。その破片の上を歩かないと避難できないとしたら・・・。足の裏が血だらけです。きっと・・・
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家具がダイビング!
逃げ道をふさがれてしまいました。 |
本がたくさんつまっている重たい本棚
この下敷きになったら・・・ |
地震はいつ起きるかわかりません。
さっそく安全対策をして、安全な部屋になるように、改造しましょう!!
家具の転倒・落下防止するための便利なグッズが売っています。活用してください。
また、地震によって家具が動く可能性を良く考えて、家具のレイアウトをしましょう。
これなら安全。安心してくつろげます。

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テレビが飛ぶ!
その対策

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テレビの置く場所が頭の上になってしまう!その場合は、テレビを固定するしかない!
テレビの底の部分と、床の間に『耐震性のある粘着マットや粘着ジェル』を貼って固定する方法があります。 見た目も損なわず、家具も傷つけないから安心。永久に固定というわけではありませんので、模様替えもできます。
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本棚が倒れる!
対策その1

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背の高い家具が倒れないようにするには部屋の壁や天井に一体となるように家具を固定します。
柱、壁に固定する場合は、家具転倒防止用のL型金具と木ネジを使って家具の上部を固定します。
壁に固定する場合は必ず下地がある場所を選んで固定する必要があります。
L型金具の他にも、ベルト式やチェーン式など様々な固定方法があります。
た だ、家具、壁共にネジの穴の跡などのキズがつくことが嫌な人にはオススメできません。
また、マンションなどで壁がコンクリートの場合にはこの方法は使えません。
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本棚が倒れる!
対策その2

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家具にキズがつくことが嫌な人・マンションなどで壁がコンクリートの場合に固定できない場合は、家具が前に倒れにくくする方法で防ぎます。
家具の前下部に耐震性能に優れた形状のクサビ型をした長い板を敷くだけで、家具をキズ付けずに倒れにくくします。ゴム製なので家具の滑り出しを防止する効果もあります。
これによって、家具を後に傾けて設置することにより倒れにくくします。 板をはさんだり、余ったカーペットを重ねて代用する方法もあります。
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ドアが開かない!
その対策

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家具の転倒による通路が塞がれ、避難に支障が出る!
そんなことにならないように、家具を配置しておくこと。
家具を固定する対策をとっていても万が一、金具が外れたり、大地震によって効果がない場合、家具が倒れてしまう可能性があります。
家具の背丈が前面に横たわると考えて、通路がふさがれないようなレイアウトをすること。・・・ということは、入り口付近には背の高い家具は配置しない。
(特に寝室のレイアウトは注意!)
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上部の飾りものが
落下・破損!

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落下したことによって、物が破損し破片が飛び散らないようにする対策!
そうなる前に、割れやすいものはなるべく高い位置には置かないようにすること。
もし置く時は、テレビと同じ方法で固定しましょう。
OA機器、美術品や高価なものは特に固定しておくと、あとでガッカリすることもないと思います。
また、天井にぶら下がっている照明器具も大きく揺れることがあるので、カバーは、ぶつかって割れない素材のもの、若しくは、天井に直に取り付けるタイプ(シーリングライト)の器具に交換すると良いでしょう。
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Part2 キッチンが私を襲う!
「住まいを強くする」とともに、普段からのちょっとした備えがあなたとそしてあなたの家族の命を守ります。
今夜は湯豆腐。家族みんなが集まり楽しい夕食タイム!ところが・・・
きれいに飾っていた食器も、大地震が起きるとこんなことに!!
おいしいね~。

このあと・・・
たのしい夕食の場面が一瞬で大変なことに!!
ぎゃぁーっ!!!!!

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食器棚が倒れる!
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床に置くタイプの食器棚が倒れてきます。
すると中身も当然落下!
特に扉がガラスの場合は割れてガラスの破片が凶器となって降り注ぎます。そして引き出しも飛び出し床に散乱するでしょう。 |
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電子レンジ
(家電品)が飛ぶ!
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テレビと同じ!重たいものでも揺れの大きさによっては飛びます。
食器棚の天板の上に置いていたトースターやコーヒーメーカーなども飛びます!
特に平らで表面がツルツルしている天板の場合は滑りやすいのです。 |
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吊戸棚の中身が
落下!
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流しで炊事をしていたお母さんの頭上に、吊戸の中の物が落下してきます。
重たいものだと、大怪我に! |
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食器が飛ぶ!
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きれいに飾られた食器棚の中の食器やコーヒーカップが飛び出してきます!
食卓の上にあった食器やお箸、コップなどスイングして飛び出し、床に落下します。もし、今夜のディナーがナイフとフ ォークでステーキ食べていたら・・・、ナイフが宙を飛ぶ!あぶな~い! |
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引き出しが飛ぶ!
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食器棚の扉は、地震で開かないように対策してあっても、つい忘れがちなのが引き出し。
主に、カトラリー(フォークやスプーン)などが入っている引き出しは重みがあるので意外と飛び出すんです。
食器棚の揺 れ運動と引き出しの揺れ運動に時差がつき、だんだん反動で重い引き出しが飛び出すこともあるんです。 |
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ガラスが
凶器に変身!
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食器棚や、飾り棚の中に入っていた、食器や装飾品が倒れて、扉のガラスが割れることがあります。中の物はそのまま床に落下して破損。扉のガラスの破片も周囲に飛び散ります。
ガラスの破片は鋭利な刃物と同じです。こんな刃物が足下に散らばる中をあなたは歩けますか?・・・恐ろしくて歩けませんよね。 |
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照明器具が
割れる!
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ダイニングテーブルを照らすおしゃれなペンダント照明。最近は小さいものをいくつか吊り下げるタイプが流行っています。とても素適だけど、地震がきたら・・・。
ペンダントがそれぞれぶらぶらと揺れてお互いにぶつかりあい、セード(カバー)が割れることも考えられます。 |
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鍋に引火!
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食事中、地震がきてあわててテーブルの下に入ろうとしたあなた!身を守る為には大事な行動ですが、テーブルの上の料理がこぼれてくるかも?
湯豆腐の鍋がひっくり返り卓上コンロから“出火”なんてこともあるので、グラッときたらまずは火を消すことが先です!
もしコンロの前で天ぷらを揚げていたら・・・鍋の中の油に引火することも考えられます!天ぷら油は火をつけてから時間が経過すると、中の油の温度はどんどん上昇します。あげくに自然発火してしまいます!IHクッキングヒーターもガスコンロも同じです。
日常の油に対する注意を忘れずに、グラッときたらまずは、すぐに火を止めること!
ついあわててしまい鍋をひっくり返さないように動作も気をつけましょう。 |
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びっくり!!
地震のものすごいパワー

こちらは、一戸建ての古い家屋です。
階段横の土壁が大きくはがれて、階段が坂道になってしまいました。
地震はいつ起きるかわかりません。さっそく安全対策をして、安全な部屋になるように改造しましょう!!
家具の転倒・落下防止するためのグッズや、ガラス飛散防止フィルムなど便利なグッズが売っています。
是非、参考に活用してみてください。
また、大きな地震によって、固定する対策の効果が及ばなかったとき、家具が動く可能性を良く考えて、家具のレイアウトをするようにしましょう。
おいしいね~。安心して食べられるキッチンになりました。

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食器棚が倒れる!
その対策

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これは本棚と同様に、転倒対策をしましょう。
地震の時に、食器棚が倒れてくると中の陶器やガラスなど割れやすい食器類が次々と落下します。そして床に落ちた破片は凶器となります。
食器棚を置く床は、まず固い素材の上に設置するようにしましょう。そして、倒れてこないように壁と一体になるように固定します。
上下が分かれている食器棚は、家具が一体となるように固定することもお忘れなく! |
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電子レンジ
(家電品)が飛ぶ!
その対策

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キッチンまわりはいろいろ便利な家電製品や、調味料がたくさん置いてあります。
重たいものが、足元に落下すると大変なことになりますから、落下対策をしましょう。
テレビと同様に固定する方法です。 |
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吊戸棚の中身が
落下!
その対策

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流しの上部などにある、吊戸棚。
調理の際に、すぐに「手が届く便利な位置にあるので、いろいろ収納して活用している方も多いはず。でも万が一、頭上から落下することを考えて、日頃も重たいものは置かないほうがいいですね。重たいものは、下部に収納するようにしましょう。
右の部品は、耐震ラッチです。振動を感じると扉が開かないようにロックします。
収納の内部に設置するので、見た目もすっきりです。 |
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食器が飛ぶ!
その対策

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食器棚からは、扉が開いてミサイルのように、食器が飛び出します。
そうならないようにストッパーをつけましょう。
開き戸ストッパーを扉の表面に取り付ければ、通常は鍵がかかっている状態でロックをはずさない限り開きません。
吊戸棚の耐震ラッチを食器棚の内部に設置する方法もあります。
購入するときは取り付け場所の凹凸がないか、扉の額縁が取り付けられる幅があるか確認してから購入しましょう。 |
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引き出しが飛ぶ!
その対策

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忘れがちな存在が、引き出し。
引き出しの全てが引き抜かれないように、食器棚自身にストッパーが施されている場合もありますが、そのストッパーが耐えられない場合も!
一度動き始めて反動がついた引き出しは、加速して飛び出す場合があるんです。
扉に取り付ける、開き戸ストッパーを引き出しの側面に取り付けてロックします。 |
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ガラスが
凶器に変身!
その対策

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食器棚の扉が、ガラス製のとき。また、リビングの扉にガラスがはめられているとき・・・。強化ガラス製なら安心ですが、割れやすい素材のガラスには、飛散防止フィルムを貼りましょう。
ガラスの表面の汚れを落とし、霧吹きで濡らしたあとにフィルムを貼ります。フィルムに糊がついているのであとは自然乾燥すればできあがりです。簡単に自分でできます。 |
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照明器具が
割れる!
その対策

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もし、こんなふうに同じ照明器具が並んでぶら下がるタイプだったら・・・。お互いがぶつかり合わないようにしておいたほうがいいですね。
ぶつかっても割れないセードを選ぶなどの配慮も必要です。
右の写真は、ペンダント照明の間をワイヤーで固定することによって照明どうしがぶつかるのを防いでいます。これなら目立たなくていいアイデアですよね。
照明器具メーカー:オーデリックで販売しています。ご参考にしてください。 |
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鍋に引火!
その対策

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グラッときたら、すぐに火を止めましょう!台所のガスコンロだけでなく、湯豆腐の鍋を乗せていた、卓上コンロの火を止めることも忘れないでください。
また、住宅に供給されるガスは、ガスメーターで使用状態を見守っています。震度5以上の地震が発生したときは、メーターが感知して自動的にガスをストップします。
安全が確かめられて復旧する際の操作方法はメーターに表示されていると思いますが、一度ご利用のガス会社で確認しておくといいでしょう。 |
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地震はいつ起きるかわかりません。さっそく安全対策をして、安全な部屋になるように、改造しましょう!!
大地震が起こると、ライフラインの復旧まで避難所での共同生活をしなくてはならない場合もあります。そんな時、町内会の人たちや、マンションの管理組合などで用意しておくと便利なグッズをいくつかご紹介しましょう。
各個人で用意しておくには、少々かさばったりしますから、近所の方々と協力して用意してはいかがでしょうか?
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マンホール対応型 簡易トイレ
まず一番に困るのがトイレ。
トイレを我慢するのは肉体的にも精神的にも大きな負担となります。少しでも多くトイレがあったら・・・。
このトイレはマンホールに直接設置するタイプです。マンホールの蓋を開けて、トイレ専用の蓋に交換します。その上にたためる便器を設置します。
便座は通常のものとほとんど変わりません。個室になるようにテントで覆われているので、女性でも安心です。
保管するためにコンパクトにたたむことができます。あくまでも緊急のものです。 |
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簡易トイレ
これは汚物を排泄用袋(ビニール袋)に集めて処理するものです。
このビニール袋には液体を固めることができる吸収剤や消臭機能もあります。
水を流すことができなくなったトイレ(便器)や、折りたたみイスに設置することで利用することができます。この折りたたみイスは、通常はキャンプなどで折りたたみのベンチとして利用できます。いざとなったら穴の開いた座面に変更するだけでトイレに変身!
災害時に限らず、キャンプの時にも利用できます。
さらに、マントが用意されているので、マントを着用すれば一見、座っている姿に見えるわけです。 |
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かまど兼用ベンチ
マンションの共用部や、公園にあるベンチに左写真のように、かまどの機能をもたせたらいかがでしょうか?
ベンチの座面を外すとかまどに変身!燃料は別に保管しておき、いざというときはここで焚きだしができる優れもの。
共用の設備だからこそ、座るだけの機能でなく、別の機能を持たせて役立てるといいですね。
(このベンチは参考商品として、ナイス㈱が展示会に出展したものです。)
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ソーラーライト
ソーラー電池を備えて、街灯のエネルギーにする設備です。
災害時の重要な場所を案内する街灯に、太陽光エネルギーを使います。自然界に存在するエネルギーを上手に役立てることができます。
停電でも街灯が点灯することで防犯性を高めます。 |
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災害時に備え、これらの設備やグッズを準備したいけど、いざという時に使い方がわからなかったら、何の意味もありません。準備するだけでなく、使い方の練習もしておきましょうね。
又、災害時はご近所同士の連携も大切になります。
日頃からコミュニケーションをとることも重要な安全対策です。
大地震のときに凶器にならない部屋づくり 大地震に備える!Ⅱ 暮らしの安全対策
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