お母さんの職場復帰の際のサポート
ほかのコラムでも何度か触れていますが、ベルギーは共働き世帯が非常に多く、育児休暇は三ヶ月ですぐ仕事に復帰します。実際私も1人目の出産のときは、三ヶ月で職場復帰しましたが、これが意外と大丈夫でした。こちらは過酷な電車通勤もないので、体力的に楽なのもあります。一般的には、経営者は搾乳のための時間と部屋を与える義務があったり、時短や出勤の日数を調整できたりします。(もちろん給与は減ります。)私は駐在員なのでそこまで恩恵にあずかることはできませんでしたが、働くお母さんが無理なく育児と両立できる仕組みと考え方がしっかりあって羨ましいですね。
保育園事情

保育園は公立と私立があり、収入によって価格が変わる公立の保育園は、とても人気があり、1年待ちもあるとか。日本と異なり、妊娠が発覚したらすぐに保育園に申し込みをします。妊娠初期でつわりがあるときに保育園の見学に奔走するのはちょっと大変です。ただ、ベルギーも保育園探しは大変ですが、横浜市のように待機児童(保留児童)が何千人もいる・・という絶望的な状況ではありません。どこかには必ず入れます。働き方がいろいろあるため、保育園も柔軟に対応してくれます。曜日限定や、預けた時間だけ保育料を払うパターンも有るようです。そしてとにかく緩いです。多分お国柄だと思うのですが、日本のように全ての持ち物に記名を求められたり、持ち物を強制されたりすることはありません。“あれしろ”“これしろ”言われず、楽ちんです。(その代わり靴下や服の紛失事故は時々ありますが・・・)
保育園は2歳半までで、そこからは幼稚園になります。幼稚園からはほとんどが公立で、授業料は無料!ランチは弁当持参か給食か選べます。そして延長保育(有料)もあるので、保育園と変わらず朝7時半から18時まで預けることができます。さすが共働き社会ですね。娘が通う保育園は、場所柄もあって、さまざまな国籍のこどもがいます。ベルギー人、イタリア人、アフリカ人、スペイン人、、、アジアは我が家だけですが。このような環境で幼児時代を過ごす娘がちょっと羨ましいです。
父親の育児参加率
なんといってもいちばんの大きな違いは、父親の育児参加率の高さです。ベルギーでは父と母で育児を分担するのは当たり前で、保育園の送り迎えのお父さん率の高さにはびっくりします。私が迎えに行く閉園ギリギリの時間帯は、ほとんどがお父さんです。父母で出勤の時間帯をずらし、送り迎えを分担する、ということもよくあるようです。家事も分担する家庭が多いですが、移民の安い労働力のおかげで、ハウスキーパーさんを雇うのがスタンダードです。時給10€を切ることもあり、普通の家庭でもそんなに負担にはなりません。週に1度はきてもらうのが普通のようです。日本はイクメンが増えてきているそうですが、イクメンという言葉がなくなるくらい、家事育児の分担が当たり前になるといいですね。
安心して仕事をするための存在
基本的には日本のお母さんと同じですが、保育園が長い時間預かってくれますし、時短勤務にしなくてもなんとかなります。残業、休日出勤はできませんが、設計は私1人なので、なんともならない時もあります。そんなときはシッターさん召還!幸い信頼できる日本人のシッターさんが近所にいるので、かなり頼りにしています。今週末もエンドユーザーさんとの打ち合わせが18時からあるので、夕方から夜22時頃まで見ていただく予定です。信頼して子供を預けられる人の存在は、お母さんが安心して働けるかどうかをかなり左右しますね。これは日本と同じでしょうか。
番外編 ☆冬の子供の遊び場

ヨーロッパの冬は日が短く、ベルギーは特に天気が悪い日が多いです。殆ど曇りか雨です。そんな天候では公園遊びはほぼ不可能、天気がいい日は放射冷却でだいたい氷点下だし、曇りの日はぱらぱらと雨が降ります。そんな冬場の子供たちの遊び場は、屋内遊技場です。街中でも既存の建物の中に滑り台やロープ、マットなど、体を使って思い切り遊べる施設が充実しています。冬場の日曜日は大人気!長く暗い冬を乗り切る知恵ですね。
共働きが普通のベルギーは、働くお母さんにとても優しい社会です。夫婦で協力して子育てできる社会、本当に理想的ですね。
