はじめに
さて、資金の検討をして、チラシや現地で「これは!」と思うマンションが見つかっても、その後すぐにモデルルームを見に行くのはちょっと待って!
モデルルームは商品をいかに良く見せるか考えられた部屋で、ともするとその作り上げられた部屋にうっとり!
つい重要なポイントを見逃してしまいがちになります。
モデルルームを見る前に
パンフレットと図面集で見るべきポイントをおさえましょう!
図面で間取りを十分確認検討していると、モデルルームを見る時にも自分が検討しているプランとの違いなども冷静にチェックできますよ!
希望条件リストを作成
前回の「チラシ・現地からの情報収集」のときに自分ならではライフスタイルを整理しましたね。
それを元に、今度はマンションの中を対象に希望条件リストを作成し、まずは自分の中での優先順位を付けていきましょう。
こちらをクリックするとチェックリストが別画面で開きます。
印刷して使ってみてください。
パンフレットの構成
パンフレットの入手方法:
資料請求をし郵送で送ってくれる場合もあります。
またインフォメーションセンターに直接行っても、まずは図面確認で目安をつけてからモデルルーム見学をしましょう。
カラーパンフレット | |
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物件コンセプト | そのマンションのコンセプトやアピールポイント |
モデルルーム写真 | モデルルームの各部屋の写真 |
外観パース | 建物全体やメインエントランスなどの建物完成予想図 |
仕様・設備 ・・・等 | 構造イメージや水周りなどの設備仕様、セキュリティシステムなど |
図面集 | |
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敷地配置図 | 敷地における建物配置や駐車場・駐輪場の配置や外構まで |
各階平面図 | 2階以上や地下の平面図 |
立面図 | 各方面から建物を見た立面図 |
住戸平面図 | 各タイプごとのプラン図 |
仕上表 | 住戸内や建物共用部の床・壁・天井などの仕上げ (例)床:フローリング) |
概要書 | 建物の規模から戸数・専有面積・入居時期までの様々な情報 |
失敗しないマンション選びとは、これらの資料からどれだけの情報をつかんで、実際の建物をイメージできるかが勝負です!
このイメージと完成したものとのギャップが小さければ小さいほど、入居後の満足感は大きい!
見るときのポイントを整理
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ポイント 1 |
分類! |
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住戸プランを分類してみる。 それぞれのメリット・デメリットを整理。 | マンションの規模やコンセプトにより住戸プランは多種多様にあります。まずは、 どういう違いがあるのか分類 をしてみましょう。 | |
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ポイント 2 |
イメージ! |
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実際の生活している気持ちでイメージ。 | 見慣れない間取り図も、 生活動線を考えればイメージがしやすくなります。 玄関を入って右には寝室、正面にはリビングドア。その先は・・・? キッチンから洗面室に行くには・・・? など、頭の中で部屋の中を動き回ってシュミレーションしましょう。 |
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ポイント 3 |
優先! |
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自分のライフスタイルを考え、間取りに求めるものの優先順位をつける。 | 昼間家にいることが多いなら「日当たり重視」、何よりもすっきり暮らしたいから「収納重視」など、人によって希望も様々。 何を優先させるかを考えましょう。 |
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ポイント 4 |
全体の中でのポジション! |
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建物全体の図面もあわせてチェック。 | 検討している部屋が建物全体のどこに位置するかもしっかりチェック。階段の前?エントランスの距離は?ゴミ置 場までは? 事前に確認しておけば納得できます。 |
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ポイント 5 |
リフォーム! |
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ライフスタイルの変化に よる、 リフォームの可能性もあわせて考える。 | 部屋数を変えられそうか? 水周りはまとまっているか? リフォームを視野に入れている場合はしっかり確認を。 |
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ポイント 6 |
階数! |
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階数によって条件が変わることも忘れずに! | 法律上の規定から、条件が変わることもあります。? 同じ間取りでも法律上「居室=洋室」と見なされない場合もあります。 きちんと確認しておかないと、何年もたってから後悔することも・・・! |
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ポイント 7 |
設計図! |
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必要によっては、設計図も確認する。 | わからないことは放っておかないで。きちんとしたところならモデルルームに設計図が置いてあります。営業担当者に伝えて、設計図も確認する意気込みで! | |
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間取り別の違い
玄関まわり
専用部である玄関と、共用部である廊下との関係も重要です。 廊下に直接玄関が接していると、ドアを開けたら廊下を歩いている人と鉢合わせ!なんてことも。 |
縦長リビングと横長リビング
リビングの形状と室内廊下の長さ
縦長リビングは奥行きがあるので、廊下は短い。
横長リビングは廊下は長くなってしまうけど、リビングは窓がいっぱい!
廊下は無駄なスペースと考えるか、私設ギャラリーと捉えるかは、あなた次第!?
同じ横長リビングでも玄関が横入りの場合は、廊下も短くなり、さらに洋室側にもバルコニーが!
間口(スパン)の違い
一般的に、通常スパンタイプは横幅が6m前後、ワイドスパンタイプは8m前後です。
通常スパンタイプは、平米数が大きくなればその分縦に伸びて廊下も長くなります。
壁面が多くとれるので、それを生かして家具を並べたり絵をかざったりインテリアを楽しみましょう。
それに比べワイドスパンタイプは、横に広く廊下も短くなります。さらにバルコニー面に3室並ぶ場合もあります。窓に面している面が大きいので、通風採光に優れています。
柱の位置
主要構造となる柱の位置をチェック!
柱の位置は動かせませんが、柱が部屋内にあるかないかで家具の配置など、部屋の使い勝手も変わってきます。タワーマンションなどでは、部屋の真ん中に柱がある場合も!
また、構造の違いによりバルコニー面の柱の位置が変わります。それによって手摺の形状の他、サッシの高さが変わることもあります!
水廻り
水まわり分散タイプ/水まわり集中タイプ
水周りの位置は縦の排管スペース(PS)との関係でそれほど大きく変えられません。
前面リフォームする際は、自由度が変わってきます。
また、細かい気遣いとして、トイレとダイニングテーブルを置くであろう位置の関係も考慮すると後からの後悔することも少ないですよ!
間取り表示の違い
図面集パンフレットで必ず記載されている「3LDK」や「4LDK」などの間取り表示もしっかり理解しましょう。
全く同じ間取りなのに、1~3階は「納戸(サービスルーム)」、4階以上は「洋室2」と表示されている場合があります。
なぜこんなことが起こるのか!?それは
「建築基準法」という法律により、採光が十分にない部屋は「居室」と認められないからです。 ↓↓下図を参照
納戸(サービスルーム)表示があると、一般的には価格が安くなります。
日当たりを気にしなかったり、部屋の用途を限定するのであれば、選択肢の一つとして利用してもいいのでしょう?しかし、売却時にもやはり影響してきますので、長期スパンの検討も忘れずに。
広さ・部屋の位置
階数
図面集パンフレットで必ず記載されている「3LDK」や「4LDK」などの間取り表示も
しっかり理解しましょう。
全く同じ間取りなのに、1~3階は「納戸(サービスルーム)」、4階以上は「洋室2」と表示されている場合があります。
なぜこんなことが起こるのか!?それは
「建築基準法」という法律により、採光が十分にない部屋は「居室」と認められないからです。
↓↓下図を参照
納戸(サービスルーム)表示があると、一般的には価格が安くなります。
日当たりを気にしなかったり、部屋の用途を限定するのであれば、選択肢の一つとして利用してもいいのでしょう?しかし、売却時にもやはり影響してきますので、長期スパンの検討も忘れずに。
広さ
※MB=メーターボックス
誰もが広い部屋に憧れますが、価格が高いことも周知の事実ですよね?
でも広さ=平米数だけに注目する前に、もう一度確認してください。
無駄な廊下の部分もリビングの帖数に含まれていませんか?
(↑ここが重要!廊下形状でもキッチンの出入り口にかかっている部分は正当なリビングです)
家具も置けないデッドスペースがたくさんありませんか?
「無駄なスペース」と「部屋のゆとり」はイコールではありません!
平米数や帖数がが小さくても、効率が良い、使いやすい間取りがあるということも覚えて置いてください。
また別の視点で見れば、廊下に薄い本棚を並べて図書館のようにしたり、絵を飾ってギャラリースペースとして楽しんだりすることもできます。
ある人にはデットスペースでも、他の人にはすてきなゆとりのスペースになることもあるのです。
自分にだったら・・と考えながら見ていきましょう。
向き 角部屋と中部屋
向き
日当たりを重視しますか?
風水を意識しますか?
また、住む地域によって北風や海風を気にしなければならないかもしれません。
世間の一般常識が、あなたに合う向きとは限りません。
階数
眺望を重視しますか?
前の建物を確認しましたか?
階数によってセキュリティやプライバシー面が変わることがあります。
場所によっては、電線が目の前!なんてこともあるので再度現地確認もすると良いでしょう。
角部屋と中部屋
角部屋で、窓がたくさんあると「明るい」、「空気の入れ替えができる」、「開放感が増す」など
のメリットがある一方、「防犯面」や「カーテン代が高くつく」なんていう現実面のデメリットも考
えられます。
また、窓の高さによっては、家具の配置を考慮する必要もでてくるかも・・・。
中部屋は窓の面積が少ない上、左右を他の住戸に囲まれているので冷暖房の効率がよく
プラバシーの確保もしやすいでしょう。壁がたくさんあるので、家具が配置しやすかったり、絵
を飾る楽しみが増えるなどのメリットもあります。
売却の際は角部屋のほうが希少価値のため、同じ広さの場合は若干高く売れるらしい?
なんていう将来性も検討のうちになります。
敷地配置図チェック
高低差や道路・隣地をチェック!
セキュリティエリアを確認!
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まわりの土地との高低差をチェック!エントランスなどを基準に道路が低い・高いなどの高低差が確認できます。(一般的に単位はmm) |
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隣地境界線の先は、お隣さんち。どんな形の建物がどれくらいの高さで建っているのか? |
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道路種別やその他の条件もチェック!公道なのか私道なのか?その他、行政などにより都市計画道路などになっているケースもあります。 |
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敷地のまわりや敷地内の施設をチェック!
敷地内の配置状況を確認!
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エントランスやプレイロットなどの位置をチェック!人の頻繁な行き来や話し声が聞こえるなどの音環境も重要な確認事項です。 |
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ゴミ置場の位置をチェック!においやゴミ収集車の音は気になりますか? |
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おいやゴミ収集車の音は気になりますか?自分の家からゴミ置場までの経路も確認しましょう。 |
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電柱の位置もチェック!見晴らしにも影響しますが、電柱からの進入などセキュリティーも考慮してください。 |
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防犯対策チェック!
セキュリティエリアを確認!
マンションのエントランスがオートロック形式なので、セキュリティーは安心!
と思っていても、敷地全体が万全なわけではありません。
オートロックのセキュリティがかかるエリアはどこまでなのかをきちんと確認しておきましょう。
ゴミ出しに鍵は必要?
実は、廊下からなら簡単に入れちゃう?
納得することが肝心です。
各階平面図チェック
住戸と共有部分の関係チェック!
各階平面図も意外と重要事項がいっぱい!Part1
階段やエレベーターとの関係が一目瞭然です。
エレベーターが一番近くて安心?
自分の家の前には、いつもエレベーター待ちの人が立っている可能性もあります。
マンションの規模などやエレベーターの配置により考慮してください。
また、階段は玄関との距離や位置関係だけではなく、踊り場と部屋の窓との関係もチェック。
乗り移れたり、覘かれたりしない様に目隠しパネルなどの配慮がしてあるか、確認しましょう。
網入りガラスの表示もあり!
隣地などから火事の火をもらっても住戸内に燃え広がるのを遅らすために、網入りガラスを義務付けられる範囲があります。
慣れてしまえば何の違和感もありませんが、最初から知っていたのと後から知るのとでは大違いです。
1階の施設の屋根も忘れずに!
駐輪場やゴミ置場が建物の近くにあれば、屋根伝いに乗り越えて侵入することも可能です。
乗り越え防止柵などの検討がされているかも確認しましょう。
住戸と共用部分の関係チェック2!
各階平面図も意外と重要事項がいっぱい!Part2
ルーフバルコニー付き住戸のさらに上階に住戸がある場合もあります。
1階住戸の専用庭みたいに上の家からは丸見えに。視線なども検討して!
また、上部庇ラインが表示されているときは、そのラインより先は屋根がないということに。
住戸平面図チェック
高さ・梁・柱
天井高さをチェック!
階数によって階高を変わる場合があります。
それによって部屋の天井高も変わる場合があります。
欄外や部屋名の下など表示してある場所は様々ですが、しっかり確認しましょう!
点線で表示される天井が低い部分。中身は空洞?
柱と柱を繋ぐ部分は、一般的に構造体である梁が通っていて、天井が低くなっています。
それ以外は一般的に、換気扇のダクトや給水・ガスなどの配管スペースなどのために下がり天井になっています。
※梁などによりクローゼットの内部の高さが変わる場合もあるので、注意!
天井高の表示がない部分は?
廊下や洗面室など居室以外の部分の天井高さは表示されない場合があります。
一般的には居室の天井高さより低い場合が多いですが、この点はモデルルームでしっかり確認しましょう。
窓(サッシ)
サッシ形状は、文字で表示されるのが一般的ですが、内開き・外開きの場合は窓の開き軌跡を確認しましょう。
バルコニーなどに出入りが可能な掃き出しサッシの窓は、▲で表示されています。
それ以外は腰窓になります。家具の配置などの参考にしてください。
ガラスの種類や外の面格子の有無も確認しましょう。
プライバシー確保や防犯面から、型ガラス(半透明のガラス)や面格子が使用されている場合があります。事前に確認しておけば戸惑うこともないでしょう。
扉とスイッチ
部屋や収納など扉は軌跡が書かれています。
その軌跡内は、家具などは置けません。
そして意外と気になるのが、扉を閉めないと使えない収納など。使う頻度を想像してみて!
また、照明のスイッチは図面には表示されません。モデルルームで確認し、わからない部分は担当者に確認しましょう!
記号の意味
MB:メーターボックス
水道メーターやガスメーターが設置されます。
上記の住戸タイプの場合は、給湯器も設置されています。
給湯器はバルコニーに設置される場合もあるので、確認をしましょう。
押入れの天袋
押入れの天袋の有無を表示してあります。
天袋がない場合は枕棚、もしくは天井が低くなっている可能性もあるので確認を。
エアコン設置位置
各部屋の取り付け位置を確認!
エアコンを取り付けられるようにコンセント設置や下地補強がしてあり、エアコンスリーブの穴も既にコンクリートの躯体に開けられているので、位置を変更することはできません。
PS:パイプシャフト
上階から下階まで、縦に排水管などが通っています。
ユニットバスの大きさ
ユニットバスの大きさが表示されています。
1317:1300mm×1700mm
1418:1400mm×1800mm
1620:1600mm×2000mm
床に段差あり
このマークは、サッシのまたぎ高さがあるときにも使用されます。
バルコニー
バルコニーの狭い範囲にも情報は記載されています。
スロップシンクや防水用コンセントは、ある?
バルコニーの掃除やちょっとした植物を育てるのに便利です。
またバルコニーにちょっとした照明を置いたりすることもできます。
クーラーの室外機置場をチェック!
室外機は、床置きの場合と天井からインサートを使って吊る場合とがあります。
室外機の置き場所・向きによって、熱風・冷風の当たる方向もかわります。
また、天井から吊る室外機は部屋内からの視線にかかっていませんか?
引渡し直後は置いていなくても生活を始めたら必ず置くものは、後でどうなるのかもきちんと確認しましょう!
避難用の仕様もチェック!
万が一の時には、バルコニーから避難できるよう避難はしごなどが設置されています。
避難はしごは、各住戸のバルコニーの避難ハッチに格納されている場合と、隔て板を破り隣の住戸へ移動するして使用する場合があります。
自分のバルコニーに避難ハッチがあるのか、確認しておきましょう。
照明
通常、住戸内に使用される照明は以下の4つ。
引っ掛けシーリング | : リビングダイニングや各居室に。 |
ダウンライト | : 玄関・廊下や洗面室・トイレなどの水まわりに。 |
ブラケット | : 浴室などに。 |
蛍光灯 | : キッチンに。 |
引渡し時には、引っ掛けシーリングの照明器具は付いていないので、注意が必要です。
また、照明器具は電気の配線が必要なので、後から自分で追加するのはなかなか難しいものです。もし、設置したい箇所が早めに決まっていれば、オプション対応をお願いしてみては?
チェックポイントまとめ
もう一度最初に戻って、ポイントを整理!
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ポイント 1 | 住戸プランを 分類! |
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ポイント 2 | 生活動線を イメージ! |
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ポイント 3 | 自分のライフスタイルのこれを 優先! |
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ポイント 4 | 自分の家の 全体の仲でのポジション! |
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ポイント 5 | 視野に入れるか? リフォーム! |
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ポイント 6 | 意外と重要 階数! |
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ポイント 7 | さらに詳しく知りたければ 設計図! |
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図面には、部屋のイメージを正確に持っていただけるように、できる限り多くの情報を記載してあります。
あとは、あなたがその情報をどれだけ読み込めるかにかかっています。
今回紹介したポイントを中心に、記載してある内容を細かく読み解き、気になるところは担当者に確認する。
これをきっちりとやれば、後からこんなはずじゃなかったという後悔は、どんどん少なくなります。
実際の部屋を再現するモデルルームは、1タイプか多くても数タイプしか作られていないのが一般的です。
よって、自分が検討しているタイプが必ずしも見れるとは限りません。
でも間取り図をしっかり読み込んでおくと、モデルルームと自分の検討している間取りとの違いを見比べ、
さらにイメージしやすくなるものです。
間取り図読解をクリアして、いざモデルルームへ!