Part1 絵画の飾り方いろいろ
こんな空間に絵画を飾りましょう
インテリアに“絵画”を飾ろうと思うときのタイミングには、
およそ3つのパターンがあります。
パターンA:
『ここの空間がなんとなく寂しい』
・・・・・・“空間”が先に存在
パターンB:
『毎日この絵を見ながら暮らしたいの』
・・・・“絵画”が先に存在
パターンC:
『季節ごとに絵画を飾りたい』
・・・・複数の“絵画”を楽しむ
インテリアの装飾品としてのアート(芸術作品・美術品)は心にゆとりをもたらします。アートの中でも、特に“絵画”は壁面に飾る代表的な素材です。“絵画”には、巨匠が心を表現している“芸術作品”のほかに、インテリア・アートと称される“絵画”があります。装飾用に制作されているので、インテリアとしても気軽に楽しめます。
また、インテリアをコーディネートするとき、家具やカーテン・照明などを設えても、何か物足りない?と感じたときには、“絵画”をプラスすることで、まとめることができます。文章に言い換えればピリオドみたいな存在ですね。
PART1では、パターンAの視点で、“絵画”を飾れる空間をいくつかご紹介します。
PART2では、パターンBの“絵画”が先に存在することから、インテリアになじませるテクニックをご紹介します。
こんな空間に”絵画”を飾ってみてはいかがですか?
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玄 関
「 Welcome 」
玄関は住まいの顔です。 お客様をお迎えするのもここが最初です。 “歓迎の気持ち”を添えて、あなたらしさを演出できる場所です。
下足入れの上の壁や、玄関ドアを開けた瞬間に目に入ってくる壁面に飾ることで、ゲストを迎える優しい心遣いが印象づくことでしょう。
左の写真は、“ニッチカウンター”に生花を飾っています。 照明を当て、飾るスペースを確保しています。
“絵画”のほかにもフラワーアレンジ、オブジェなど、暮らしを豊かに演出するアートを飾ることができます。
季節にマッチしたものを飾ることにより、四季折々の楽しみ方ができます。
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リビングの壁
「 フォーカルポイント 」
住まいの中でみんなが集うリビング。そこはおもてなしの空間でもあり、そして住む人の個性が一番見えてくる場所でもあります。インテリアもきっと一番意識している場所のことでしょう。
部屋全体のカラーや家具の大きさ、材質に調和するように“絵画”を飾ります。
リビングルームをインテリアコーディネートするときには、空間の中で視線を落ち着かせるコーナーとして、“フォーカルポイント”をつくることをおすすめしています。
例えば、チェストの上にフォーカルポイントにを設けるとしたら、上の壁に“絵画”を飾ることで、ゆったり鑑賞できる場所となります。
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廊 下( 階 段 )
「 ミニギャラリー 」
廊下や階段は、言ってみれば通路です。
特にマンションの場合は、通過するだけのスペースになりがちですが、そこにいくつかの小さな“絵画”を飾れば、回廊できるギャラリーに変身します。
“絵画”は、全体が見えるように遠ざかって鑑賞するものと言われています。廊下の突き当たりなどの壁は、歩く正面に見ることができるので、大きめの“絵画”を飾ると、優雅な演出となります。お客様との話題もこの“絵画”をきっかけにはじまるかもしれません。
歩く場所なので、立った人の目線の高さに飾るといいでしょう。
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小さな壁面
「 遊び心・小さなギャラリー 」
洗面室・トイレ・キッチンなどの水周りの空間には、ちょっとした壁面があります。
そんな小さな壁面を利用して、遊び心を演出します。
思い出のモノクロのフォトを飾るとほっとした空間になります。 この空間の大きさによって“絵画”を見るのにふさわしい距離がありますので、大きすぎない“絵画”を飾ることをおすすめします。
トイレなどは、一人で過ごす空間ですから、和めるような“絵画”があると落ち着くことでしょう。
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空間のプロポーション
壁の大きさと絵画
見えてくる壁の大きさによって、飾っている“絵画”の見え方が違います。
左の写真は同じ壁面に、大きさの違う“絵画”を飾っています。どんな印象が残りますか?壁面積に対しての、“絵画”の大きさが部屋全体にどのように見えるかを考えてみてください。
大きな“絵画”は、横長の額の形が、堂々とした印象を与えます。また、横ラインが長いので部屋に広がりを持たせる効果もあります。
小さな“絵画”は、『点』のような存在になるかも知れませんが、小さくても描かれているものの色の印象が残ります。シンプルな空間に、レッドのカラーをインテリアのアクセントにするのはふさわしいボリュームといえます。
また、“絵画の額装”の形はインテリアに広さや高さを印象つける効果をもたらします。横長の絵画は、空間に広がりを感じさせ、縦長の絵画は壁の高さを強調します。
シンメトリー&アシンメトリー
“絵画”は、インテリアコーディネートの際に中心になることが多いものです。
座る、収納するなど機能的な家具をまず始めに購入し、部屋に配置したあとそこにどうしても“絵画”をプラスしてみたくなることってありますよね。
そんな時は、“絵画”を中心にして、その他の家具をシンメトリー(左右対称)に配置する
と、その空間に安定感が生まれます。一番バランスの取れた並べ方です。風格があり、トラディッショナルなインテリアイメージをつくる場合には、欠かせない配置方法です。
しかし、必ずしも“絵画”が壁の中心になっていなくてはいけないというわけではありません。アシンメトリー(非左右対称)に配置する方法も、斬新な並べ方で、モダンなインテリアをつくる場合に向いています。
アシンメトリーに配置したときは、ひとつの家具をクローズアップして、その家具におけるシンメトリー配置をすると、中心に飾った“絵画”がいきてきます。
左の写真のように、チェストの上に飾る小物や“絵画”をシンメトリーに配置すればいいのです。
飾 る 高 さ
目 線
“絵画”を飾る高さは、人の目線を基準に考えます。
通路などは、立って見る視線、部屋は座った目線として考えます。座る場合も、床に座る、ソファに座る、イスに座るというように様々です。絵画を飾るフックを取り付けるとき、立って作業をするので、とかく立った目線で、飾りがちですがここは慎重に、その部屋で寛ぐ目線の高さを考えて飾りましょう。
左の写真は、和室に飾った“絵画”の高さを変えて飾っています。上が下より5cm上に飾った状態です。
ソファに座った目線では、下の写真の高さのほうが落ち着く感じがします。
複数の絵画 1
集合体にして飾る
複数の“絵画”は、作品の質や、テーマが同じ種類のものを集めるとまとまりがつきます。描かれているものが異なっても、額装を揃えるだけでもまとまってきます。
複数の“絵画”を、ひとつの“絵画”に見立てます。
そこで、大きさの違う複数の“絵画”を並べて飾るときは、あるルールを決めて集合体にして飾ります。
上下の中心を揃えるか、上端を揃えるか、または下端を揃えるか。上の写真のように額装の中心ラインを揃えて、並べると比較的すっきりします。
子供部屋などには、壁にリズムをつけて、斜めのライン上に並べたりすると元気なイメージになります。
Part2 インテリアにフィットするには
絵画の「装い」が決め手
額縁をインテリアテイストにあわせる。
絵画とインテリアの境界線に額縁があります。額縁の素材・テクスチャ・色の選び方がポイント。
今回は、シンプルでどんなインテリアテイストにも合わせやすい絵画『シルクスクリーン』のある1つの作品を使って、いろいろなテイストのインテリアに合わせたらどうなるか、コーディネートしてみました。
シルクスクリーン作品 作者:KAORI IRIEDA
今回のお題:Bar code Ⅱ 36.45cmx25.7cm silkscreen
作品解説:こんなクラシックな石鹸箱にも必ず付いているバーコード
インテリアテイストの写真をクリックすると、下のウィンドウに詳しい解説が出ます。
■シンプルナチュラル |
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■シンプルモダン |
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■エレガンス |
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■スタイリッシュモダン |
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■アジアンフィール |
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■クラッシック&
トラディッショナル |
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絵とインテリアの中間で、つなぎの役目をしてくれる・・そう!「額」と「マット」も、インテリアに絵画を調和させる重要な要素です。
《シンプルモダン》
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拡大図
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Simple Modern |
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拡大図
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家具の装飾がいたってシンプルなデザインのモダンスタイル。シンプルナチュラルよりも、濃いめのカラーを使用しているので意外としっかりとしたインテリアを構成しています。フローリングやドアなどの建材の素材やカラーにあわせた額縁でコーディネートします。額縁の装飾も家具と同様にシンプルなデザインにすると良いでしょう。このほかにも、ダイニングチェアのクロームの足にあわせて、シルバー系の額縁を選ぶとクールなイメージのモダンインテリアとしてフィットします。
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《クラシック&トラディショナル》
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重厚な趣のあるクラシック&トラディショナルスタイルでは、インテリアの家具の素材や色、または飾る絵画の色に、額縁をあわせます。 |
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左のimage photoの絵画はソフトなイメージでインテリアの中では少し控えめです。右のAとBの額縁のように、枠の幅を広げると小さな絵画でも存在が乏しくなることはありません。また、周囲のマットを絵画で使っている色、またはインテリアの中のアクセントカラーにあわせると、より全体のインテリアにフィットしてきます。 |
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マットを使う!
絵画が小さい場合、絵画の周囲にマットを合わせ、絵画よりも大きな額縁を使います。
絵画の中にある色か、インテリアの中にあるメイン又はアクセントになる色に近いカラーマットを使うと、絵画とインテリアにつながりを持たせることができます。 |
白いマットにした場合 |
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絵画の中の色をマットに |
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フレームとマットの効果!
お子様の力作の版画。
ただぺたりと壁に貼るだけでは、せっかくの作品も台無しになってしまいます!
和室のポイントとなっている濃茶色の小物の色と、額縁の色を合わせて、飾れば、版画とマットの白も活きて存在がしっかりしてくると同時に、リビングから見る視線が落ち着きます。 |
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大胆な構図がかっこいいのに・・ |
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りっぱなアートになります! |
ちょこっとColumn
インテリアにおける絵画といっても、いろんな手法の絵画がありますね。いくつか挙げてみましょう。
1.西洋画:油彩画・水彩画・フレスコ画・テンペラ画・グワッシュ・パステル画・アクリル画
2.日本画:水墨画・岩絵具画
3.版画:リトグラフ(平版刷り)・シルクスクリーン(孔版刷り)・エッチング(凹版刷り)
4.ポスター:モノクロ写真・カラー写真
絵画の手法によって、インテリアに与える印象はそれぞれ。
例えば油絵の場合、筆のさばきによって、絵の具の凹凸が生まれ、絵画のモチーフと共に力強い印象の絵画となったり、
柔らかい表情の絵画になったりします。また、絵の具のテクスチャとともに、絵画の「大きさ」、「色による印象」がインテリアの中でどんな存在で見えるか、空間の中に飾ったときをイメージしながら購入したいものです。
額縁の方向
「 絵画と額縁 」 |
絵画のサイズによって、額縁の大きさや形状が決まってきます。
絵画が、横長のものであれば、額縁も必然と横長のものになります。
横に長い形は、横のラインを印象づける効果があり、壁面の広さ・幅が強調され、より安定して見えてきます。
逆に天井の高さなど、垂直方向を強調したいときは、縦長の額縁に収めると効果的です。
縦長の絵画でも、マットを利用して2枚一緒に横長の額縁に収めて飾るという方法もあります。
この場合は中に入れるマットを、カラーにしたり、又、色のついた額縁にすることで、横長の額縁の印象をインテリアのアクセントにしましょう。このとき、絵画作品のイメージを損なわないように注意してください。
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幅のある壁面に横に長い絵画は、
落ちついて寛げるリビングスペースの効果も |
安眠できる寝室に落ち着きを与えます |
小さい絵画を2つ1つの額縁に入れて横長に |
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複数の絵画
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正方形の額を3つ並べて
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「 壁の幅が広く見える方法 」
上記の方法のほかに、ひとつひとつの額縁を複数並べて、横の広がりを強調する方法もあります。
同じ縦長の絵画を3つ、飾る壁面に均等に配置すると横の幅を強調できます。それぞれの間隔を広げれば、横の広がりを作ることができます。3つの集合体として考えるので、絵画の下にあるものに対してバランスよく配置しましょう。
また、左の子供部屋は、イエローをベースにしたインテリアです。様々な色をした絵画も額縁の色を合わせて、他のインテリアにつなげています。
また、飾る高さを少し低めにすると可愛らしさが表現できます。
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身近なアーティストの絵画
「 手作りしよう 」
お子さんの描いた絵画を、お部屋に飾ってみましょう。
大きな画用紙の絵画も直に飾るより少し化粧をして飾るとステキなインテリアになります。
大きな絵画は、ポスター用の額縁がお勧めです。
また、お気に入りの絵本を額縁に入れるのもいいですね。お子様のお部屋に飾るインテリアとしてはぴったりです。
大人の場合は、イラストやハガキなど好きな絵画を集めて飾ってみてはいかがでしょうか?
絵画は、インテリアの表情を豊かにしてくれます。
インテリアに少し寂しさを感じたら、好きな絵画を飾ってみてはいかがですか?絵画の中にあるカラーをインテリアのアクセントにして、お部屋全体を豊かにまとめてください。
額縁があれば、好きな柄の布地を中に入れたり、雑誌の切り抜きをコラージュして貼ったり、モノクロ写真を飾ったりと、素材はどこにでもあります。飾るときのポイントにこのページを参考にしていただければ幸いです。
インテリアにおける絵画
https://www.vinice.jp/wp/wp-content/uploads/2006/08/ld01.jpg
https://www.vinice.jp/lesson/540/