岩波少年文庫
ミヒャエル・エンデ (著)

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主人公の「モモ」は町の円形劇場の廃墟に住んでいる豊かな想像力と、特別な力を持った女の子。モモに話を聞いてもらうと、不思議と悩みが解決してしまいます。ある日「時間貯蓄銀行」から「灰色の男たち」が現れ、言葉巧みに人々の時間を盗みはじめます。人々は「時間を節約することで暮らしを豊かにできる」という口車に乗り、せかせかと生活をするようになり、人生を楽しむことを忘れてしまいます。
異変に気付いたモモが彼らに立ち向かう冒険の物語。時間をつかさどる不思議な老人マイスター・ホラと、ほんの少し先の未来を見通せるカメのカシオペイアが彼女に手を差し伸べます。彼らとモモとの哲学的なやりとりの中で「時間とは日々の生活であり、その人自身である」という真理を改めて教えてくれます。私が初めて読んだのは小学校3年生の頃。読書好きだった当時の私にも、とんでもなく衝撃的でした。
子供から大人まで、各人生のステージによって様々な形で心に響きます。ファンタジーな中にリアルな現実が溶け込み、哲学的な内容と不思議な世界観を楽しめる作品です。　ｂｙなっちゃん

毎日新聞出版
平野 啓一郎 (著)

• Solo
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• Legate

天才クラシックギター奏者と、国際的ジャーナリストの大人の恋愛小説です。
数々のクラシックの名曲や、東京・パリ・NYに舞台を移しながらの美しい描写、そして中東の時事問題やアメリカのリーマンショックなども絡んできて、いろいろな面で楽しめる、大人の女性をお腹いっぱいにしてくれる小説です。著者はクラシックに造詣が深く、さまざまな場面で登場する名曲たちを一緒に聴けば、よりいっそう小説の世界に浸ることができます。特に大好きなグレングールドや、マイスキーが出てきたときはにやりとしてしまいました。また、「過去は変えることができる」という一環したテーマに基づいて物語は展開していきます。そのとき悲しかったできごとも、立場や考え方が変われば喜びに変わる、というところでしょうか。逆もまた然りですが。このテーマも、大人にはぐっときてしまいますね！恋愛小説は基本的に苦手な私でも、とても楽しむことができた、大人の女性におすすめの一冊です！　　by モンジ

偕成社; 改訂版
トミー=アンゲラー (著)

• Ensemble

この絵本は私が子供の頃大好きで夢中になった絵本です。
母に何度も何度も寝る前のベットの中で読んでもらったのを覚えてます。
カラフルな絵本が多い中、ダークカラーの背景に独特のタッチで描かれている3人組の大泥棒の物語。ちょっと怖いけど、どうしても見たい…という感じで毛布から目だけ出して読んでもらっていました。男の子も女の子も子供ナラドキドキしちゃうポイントが沢山詰まってます。母が実家に保管しておいてくれた物を、私の娘が産まれてから持ってきてくれました。想定通り娘も大のお気に入りの本になりました。先日本屋さんに行った時、何と、縮小サイズのすてきな3人組の絵本が陳列されていました。最近雑誌で見かけるポータブルサイズです。今でも人気の絵本なんですね。懐かしさに思わず手に取りました。　

読む側の親にも程よい文章量。あんまり小さい字で長いとこっちも辛いので。（笑）　ここ重要です！　　ｂｙ岡部

新潮文庫
恩田 陸 (著)

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2005年に 吉川英治文学新人賞受賞と、 本屋大賞受賞しています。80キロの距離を1000人もの全校生徒が夜どおし歩く、歩行祭。その２日間を、主人公がある賭けを胸に、友人たちと歩いていく。80キロもあるわけだから、誰もが想像つくように、テンションが上がったり、はしゃいだり、きつくなって口数が減ったり、バテテ無言だったり当たり前だけど、ずっと会話しているわけではない。
それぞれが色々なことを感じて、考え、ときには去年の事を思い出したり、誰かに思いを馳せたり、悩んだり、決意したり・・・　脚が痛くなったりはしないのだけど、一晩一緒に歩いたような、人の頭の中に入らせてもらったような、そして、ゴールした時は、一緒に成長までしてしまった気分になる。気心しれた友人たちと、無言になるまでただただ歩くって、なんて贅沢な時間なんだろう。
今の私なら、その間何を考えているだろう？
友人たちと、どんな話をするだろう？ゴールした頃、どんな境地にたどり着いているだろう？と思わせてくれる本です。　by 貞廣